石炭ガス化複合発電設備給水ポンプ用防音カバーの納入事例
クリーンで高効率の新しいシステムである「石炭ガス化複合発電設備」給水ポンプ用防音カバーで、定期点検時に配管その他を接続したままでの組立・解体が可能なパネル式防音カバーとした納入事例です。
- 対象機器:発電設備用給水ポンプ
- 寸法:2.3m幅×3m長×1.6m高、 排気筒0.5m高
- 減音量:25dB(騒音レベル)
- 設置場所:屋内
本防音カバーは、必要最小限の大きさで計画され、入室は非常に困難な為に、通常の点検や組立・解体作業は、全て外部より行える構造にしました。
本ポンプには吸込・吐出配管をはじめ、数多くの配管が防音カバーを貫通して接続されます。
本防音カバーの場合には電動機も別置きで、その回転軸も防音カバーを貫通してポンプと接続されます。
それらの配管ほかを接続状態で、組立・解体が行える様に考慮して防音カバーのパネル分割位置を決めると共に、全ての貫通物よりパネル端部までの開口を設けました。
防音カバー設置後は、貫通部以外の開口にはフサギプレートをビス固定して、減音量の減少を防ぎます。
騒音源を防音カバーで覆う事で、防音カバー内側では何重にも連続した反射音が発生してしまい、防音カバーの内部の騒音レベルが上昇します。これを「音圧上昇」と呼びます。
「音圧上昇」で発生騒音が大きくなる事になり、防音カバーの効果が減少してしまいます。
効果の減少を抑える為に、防音カバーの屋根、壁の内面に吸音材を取付けて吸音処理を行います。
吸音材の種類や厚みなどは、発生する騒音の周波数特性などにより選択、調整して、防音カバー内側での「音圧上昇」を極力抑える工夫を行います。
防音カバーに納められるのはポンプ本体のみで、放熱量が大きくないと共に室内温度への柔軟性が高いので、自然換気での換気冷却方式としました。
防音カバー設置場所は積雪地域であるので、吸・排気口の設置には30cm程度の積雪を考慮しました。
左下写真:給気口
侵入防止網装備 地上45cm高さ
右上写真:防音カバー屋根上排気筒
排気口を屋根上50cm高さ