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無響室換気・空調設備の減音計画と分岐部消音器(サイレンサー)の製作の納入事例

中部地区某社 無響室の換気・空調設備について、減音計画の立案と消音器の設計・製作を行いました。対象は2部屋(全無響室:7000L×4500W×3600H)、半無響室(9500L×7600W×4000H)です。

無響室換気・空調設備の分岐部消音器

無響室換気・空調設備の分岐部消音器

暗騒音条件は、全無響室、半無響室それぞれ 40/42dB(A) (無響室中央高さ1.2m点、換気・空調設備運転時)でした。使用される換気ファンやエアコンの騒音条件に合わせ、低周波数用の標準消音器LDS2R・Aタイプ、消音チャンバー、消音エルボなどを用いた計画としました。

全無響室では換気と空調のダクトの一部が兼用であり、その分岐部用にサイレンサーを設計・製作しました。

排気(RA)用分岐部消音器
  • 型式:LDS-700S
  • 対象:無響室空調・換気設備 給排気騒音
  • 寸法:1500W×1500D×2850H
  • 減音性能:18dB (500Hz)
  • 流量:280m3/min
  • 数量:2基(SA・RA各1基)
給気(SA)用分岐部消音器

こちらは無響室への給気(SA)側サイレンサーで、上の排気(RA)側とは、ダクト取付位置が勝手反対となっています。

分岐部消音器の吊り金具

本体は縦置きであり、写真の左側を上として設置されます。
輸送と現場の取り回しを考慮して、サイレンサーの吊り金具は、輸送用4個と据え付け用4個の計8個を取り付けました。

分岐部消音器(サイレンサー)の消音スプリッタ

分岐部消音器のスプリッタ

設置位置下側の様子です。フランジ内部の中央、灰色の柱状のものが、消音器の肝の一つである「消音スプリッタ」です。消音スプリッタには、吸音材が充てんされています。

給気(SA)用の上部フランジ

給気(SA)側の上部のダクトから中を覗くと、消音器中央のスプリッタが見えます。

排気(RA)用の上部フランジ

排気(RA)用はフランジ位置のみが勝手反対で、消音器内部の構造は吸気側と同様です。

分岐部消音器(サイレンサー)の付属品

機器番号表示とボルト・ナット

各消音器には型式名称や製造番号、製造年月日の入った銘板が付いておりますが、出荷用の養生の前に、入口部・出口部には緑色の養生テープで消音器の機器番号を貼り、現場で区別しやすくしました。相フランジ用のボルトナットも箱詰めでセットしています。

接続フランジの相フランジ

ボルトで仮止めされたL型鋼が相フランジです。今回の相フランジは、現場塗装を施すため無塗装です。