空中にある物体が音を放射している場合、その音のエネルギーは球面状に広がり戻ってきません。この音場を自由音場と呼びます。室内でこの自由音場を実現したものが無響室です。オーディオ用スピーカの様な、小型で設置場所が限定されない試験体の音響解析等に使われます。また、無響室の中でも床または壁の一つの面に反射面を持つものが半無響室で、この音場は半自由音場と呼ばれます。自動車の様に、必ず反射面となる床に設置する試験体の音響解析等に使われます。前者の無響室は、後者と区別する場合は全無響室と呼びます。

無響室は、壁からの反射音が小さいことが基本的な機能です。またもう一つ大切な機能として、他の騒音(暗騒音)の影響を受けないことがあげられます。フジイサウンドテクノでは、暗騒音 0dB(A) の実績がございます。

無響室の概要

無響室として”吸音楔タイプ”と、フジイサウンドテクノ独自の”F型吸音体”を用いたタイプ、組立式無響室などについて、施工事例とともにご紹介致します。

吸音楔タイプの無響室

吸音楔タイプの無響室の写真

電子機器開発用の施工事例です。壁と天井に取り付けられた吸音楔(くさび)は、試験体の騒音測定に必要な遮断周波数(吸音の効果が高い周波数範囲の限界値)などの部屋の設計条件によって、その長さを決定します。無響室の吸音層として一般的に使われる形状ですが、F型吸音体や層状タイプより高価になります。

F型吸音体タイプの無響室

F型吸音体タイプの無響室の写真

自動車部品開発用の施工事例です。吸音層として、F型吸音体を用いています。F型吸音体は吸音楔と同等の性能を持ち、汚染破損時の交換が容易である等の特長があります。また見栄えも良く、来客用のPR効果も併せ持っています。この独特な技術が認められ、多くのメーカー、研究所等でご使用いただいております。

組立式無響室

組立式無響室の写真

標準パネルの組立式無響室は、全・半無響のシリーズとしてAF(V)型、HF(V)型をご用意しております。全・半無響の切り替えが可能なタイプもございます。また、複合設備として環境試験室(-30℃~+80℃)や風洞設備(最大風速40m/s)などと組み合わせた事例もございます。

環境試験室付無響室

環境試験室付無響室の写真

温度・湿度の制御を行う環境試験が可能な無響室設備です。天井と壁にF型吸音体600Hを設置し、低い暗騒音の半自由音場を実現しました。

  • 有効寸法: 7000L×6000W×3550H
  • 空調稼動時暗騒音: 40dB(A) (風量360m3/min)
  • 室内温度制御範囲: -15℃~+60℃
  • 温度精度: ±0.1℃ (試験体運転時)

風洞無響室

近年、風を流しながら騒音を測定する風洞無響室の需要が増えています。この設備は通常の無響室としての機能に加え、風の流れの制御やその低騒音化が求められます。フジイサウンドテクノでは、超大型設備から比較的小型の実験室までの施工実績がございます。

風洞無響室の写真


写真の設備は、新幹線をはじめとする高速鉄道用風洞無響室としては世界トップクラスの規模と性能を有するものです。ここで得られた多くのノウハウは、先端技術として新しい製品に反映されています。

風量測定装置

風量測定装置の写真

送風機の風量を正確に測定する装置です。ノズル前後の差圧を計測し、風量を算出します。無響室に組み込むことで、送風機の騒音レベルとPQ曲線の同時計測が可能です。

防音室・防音扉・防音窓

組立式防音室と、建具としての防音扉・防音窓についてご紹介致します。

組み立て式防音室

組立式防音室は、比較的小さな製品の騒音測定に最適です。一般に製品本体の測定では、暗騒音と測定時の壁の反射音の影響を考慮する必要があります。しかし、音源に近い点、例えば10cmで計測する場合は、反射音の影響が少ないため吸音層を簡易とし、暗騒音を低くすることで、精度の高い測定が実現可能です。

防音室


フジイサウンドテクノの組立式防音室は、電子機器メーカーや自動車部品メーカーなど、さまざまな分野への納入実績がございます。また写真の事例のように、検査ラインへの組み込みといったご要望にもお応えいたします。

防音扉・防音窓

防音扉・防音窓

無響室で養った技術を活かした、各種標準品を取り揃えております。工場の機械室等で騒音を外に漏らさないために、また、試聴室やスタジオ等で外からの騒音を遮断するために、遮音性能の高い建具としてご使用頂いております。

防音扉は遮音性能3タイプ(30・35・40dB/500Hz)、片開・両開がございます。防音窓の遮音性能は45dB/500Hzです。

その他の 納入事例 もご覧下さい。


フジイサウンドテクノの組立式無響室、組立式防音室と、防音扉、防音窓のカタログをご用意しております。