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燃焼空気ブロアー用サイレンサ(消音器)の納入事例
近畿地区 某製鉄所の高炉で使用されている大型ブロアーの吸込口騒音対策用として、燃焼空気ブロアー用サイレンサ(消音器)を納入しました。
燃焼空気ブロアー用サイレンサの仕様
- 型式:LDS-1200S
- 流体:空気
- 流量:1435m3/min
- 温度:20℃
- 減音量:23dB(A)
- 圧力損失:0.39kPa
- 数量:2基/1セット
本サイレンサは両吸込型の大型ブロアー用です。ブロアーそれぞれの吸気口の消音が必要なため、サイレンサーは2基で1セット(ブロアー1台分)です。
写真1枚目は空気の吸込口側から、2枚目はブロアーとの接続フランジ側から撮ったものです。
燃焼空気ブロアー用サイレンサの完成検査
今回の出荷前の完成検査は、(1)音響性能、(2)寸法、(3)塗装、(4)員数、の各項目について行いました。
(1)サイレンサの音響性能検査
音響性能は、サイレンサ入口の発生騒音(スピーカーからの擬似騒音)とサイレンサ出口の減音後騒音(サイレンサを通過してきた音)の2つを、2台の騒音計で同時に測定することにより確認します。
写真手前の机に乗っているものが騒音計などの測定機器、奥のサイレンサ吸込口正面に置いてあるものがマイクスタンドとマイクです。
この方法により、本サイレンサの減音性能が「23dB(A)以上」で、要求仕様を満足していることを確認しました。
(2)サイレンサの寸法検査
寸法検査は、鋼製巻尺や金属製直尺を用いて各寸法が許容誤差範囲内であることを確認します。
写真は、サイレンサ外形寸法 幅820mm×高さ2280mm×長さ2600mm を確認している様子です。
このサイレンサーの接続フランジにはφ19の穴が46個空いています。
接続フランジはブロワーとの取り合い部であるため、ボルトの穴径と穴ピッチを一箇所ずつチェック。
寸法が承認図通り(誤差は寸法公差内)であることを確認しました。
ちなみに、本サイレンサーは「スプリッター型」の消音構造です。
寸法を測っている角フランジの間にある縦長の部材(赤錆色)がスプリッターで、吸音材が充てんされた「板状」の構造となっています。
(3)サイレンサの塗装膜厚検査
塗装検査は、塗装膜厚と塗装色を検査します。
塗装膜厚は膜厚計により測定し、塗装色は色見本との比較を目視により行います。
今回の塗装仕様は次の通りでした。
- 下塗り:一般錆止め 30μm×1回(内外面共)
- 上塗り:フタル酸樹脂塗料 25μm×2回(外面のみ)
- 仕上色:青緑系の指定色
塗装膜厚の合計が80μm以上であること、および色見本と同じ色で塗装されていることを確認しました。
(4)サイレンサの員数検査
員数検査は、本体及び付属品の員数を目視によりチェックしました。
今回の付属品は、接続フランジのボルト・ナット・ワッシャーおよびヤーンパッキンと、据付用ライナーです。
サイレンサ本体が2基であること、付属品の員数が承認図通りであることを確認しました。
以上により完成検査が合格となり、無事に出荷することが出来ました。