タービンバイパス変換弁用防音カバーの納入事例
関東地区某社の製糸工場 タービンバイパス変換弁の騒音対策事例でご紹介した防音カバーについて、パネルの分割や設置などの詳細を改めてご紹介します。
- 対象機器:タービンバイパス変換弁
- 寸法:幅900×奥行き1000×高さ1200
- 製品重量:300kg
- 遮音効果(透過損失):14dB以上
対策前のタービンバイパス変換弁周囲での騒音レベルは109dBでした。
本防音カバーはパネル組み立て式です。弁の点検用に、点検扉(防音扉仕様)が付いています。
本防音カバーは小型のため、2トントラックの荷台に防音カバー本体を仮組み立ての状態で積載し、運搬しました。貫通部の仕舞いに用いるパネルや、現地加工用の材料等を一括で運んでおります。
騒音源であるタービンバイパス変換弁は、工場建屋内の3階フロアの壁際に設置されています。このような場所では、防音カバーの貫通部や切欠き処理が複雑で、設置も単純には行きません。具体的には、変換弁本体の入出口配管の貫通処理の他、壁際に有る複数の配管やそれらのサポート類等の突起物を避ける必要があります。
そこで、本防音カバーは側面を6枚、天井面を2枚と小割のパネルで構成し、配管貫通部は持参した鋼板の現物合わせ加工で対処しました。
先ず、変換弁奥の壁際のパネルを仮設置し、次に左側面奥側のパネルを設置しました。パネル同士、及びパネルと下部ベースとをボルトナットにより接続して自立させました。
自立させた壁パネルを基にして、右側面や右コーナーのパネルを設置し、側面をパネルの位置を決定します。
この後に天井パネルを取り付けて防音カバー本体の据え付けが完了です。上部の出口配管貫通部周囲の開口は、カバーの実際の設置位置が確定した後に対処します。
実際の防音カバー設置位置に対する出口配管の位置を採寸して、持参した鋼板を用いた2分割の塞ぎ板を現場で製作しました。この塞ぎ板は防音カバー本体にビス止めしました。
側面の配管貫通部も同様に塞いで、防音カバーの設置が完了です。
対策後の調整弁周囲での騒音レベルは、94dB となりました。減音カバーの遮音性能は設計通り 15dB でした。